福知山の個性的な113系、115系を訪ねて...前編(ちょっとした南海ネタも...)
どうも。
大分前の話になりますが3月17日にダイヤ改正が実施されましたね。
なんといっても、スカイブルーの205系が奈良線を行く光景がとても印象的です...。
で、そんな中私も変わりゆく景色をずっと張り付き取材
したかったのですが...
実は3月15日から17日まで、私の所属している「天文研究部」(鉄研と兼部中)の合宿が行われまして、これがダイヤ改正の日を見事に跨いでしまったのです。
そのため、合宿の宿の立地的にB快速,205系,103系に続きまして今回狙うのは...
山陰本線ということになりました。
そこまでダイヤ改正と関係ねぇ...
今回の合宿の宿泊地からほど近いところに山陰本線の線路があるのです。
なにしろ天文の部活ですから昼間はさして忙しくありません。
ならば、ダラダラする時間がもったいない...ということで。
末期色地帯岡山周辺、
はたまた紀勢線などを思い浮かべる人が多いかなあ、と思います。
ちなみに虫の息ではありますが、末期色地帯では現在も湘南色の115系も2本だけ残っているとのこと。
福知山周辺の113系といえば、どうしても3800番台ことサンパチを思い出してしまいます...
(残念ながら写真は保有していないので貼れませんが...)
現在113系3800番台は全車廃車になっており現存しませんが、それでも現在福知山周辺で113系,そしてわずか一編成ながら115系も活躍中とのことです。
そしてその車両たちも実はなかなか個性的。そんな彼らの記録を簡単な紹介を交えてお伝えしたいと思います。
...と、その前に。
行き道でちょっとした事件がありまして...
なんということでしょう...
しぶとく生き残っていた天下茶屋の反転フラップ式(パタパタ)の行き先表示器が...
LCDモニタに更新されていました。(この記事が完成したころには過ぎた話題になっていますけど...w)
これを撮影した当時は3番のりばのみの設置だったので、隣の高野線2番のりばのパタパタとの共演が見られました。
天下茶屋駅の利用者は皆、見慣れないLCDモニタを物珍しい目で見ていました。
(皆がLCDを見て顔を上げていたため掲載にあたり利用客の顔を隠す修正が大変でした...笑)
そして、これを観察するために天下茶屋駅に降り立った私は本来の目的地に出向くために...
本線の準急行を利用しました笑
これは意図していませんでした。ラッキー。
南海の小ネタはこれくらいにしておきまして、本題に戻りましょう。
まず113系と115系を狙うにあたって考えておくべきこと。そう、車両のやってくる時刻です。
合宿は3日間あるのですが、3日目は朝早くに宿を出発せねばならないので実質チャンスは2日。
そして調査によると、宿のある豊岡ー福知山を113系が通るチャンスは1日4回(うち115系の可能性があるスジは2本)。
その中でフリータイムと被っているのは1日目は2本,二日目は3本でした。
115系が狙えるのは両日一回のみなので、かなり練習回数は限られます。
ということで...
宿に近い場所で、撮影地になりそうなところを探索した結果、この場所になりました。
もう30分くらい頑張って足を伸ばせばもっときれいな田園風景と113系、115系を捉えられる場所はあったのでしょうが、本数が少ない分今回大切なのは確実に捉えること。
撮影地に向かう途中に列車が来た...なんてことになったら泣くに泣けません。確実性と宿近を重視しました。
ファインダーをのぞくとこんな感じ。典型的なカーブ構図です。
しかし、右手に背の高い雑草がかぶさっており、長編成を流れるように記録することは無理そう。
2両編成でやってくる113系や115系を捉える分には問題ありませんが、比較的長編成の287系や289系を記録する方法の模索には苦労しそうです。
反対側はこんな感じ...といえど、これは遮断機が開いているときに撮影したものであって、福知山方面への列車をこの方向で撮影するのは難しそう...
関係ありませんが、なんかすごく上下に揺らされそうな線路ですね...
そうこうしているうちに、1本目の通過を予告する警報器が鳴りだしました!まず1本目は113系のみがくるスジのはず...!緊張のまなざしでファインダーをのぞくと...
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
これはお見事。全体に緑色だけをまとった、デザインを諦めたド単色。
京都には必ずしもミスマッチではありませんけど。
某アニメの主人公に「一面のクソミドリ」とか言われてしまいそう...。
すかさずケツ打ち。単線を2両で、ゆったりと過ぎ去る113系というのは、東海道線を長編成で爆走している姿とはまた違った趣を感じさせます。実に良い。
とまあ、今回は写真の枚数が少なくなるのが必然なので個々の編成についても簡単にご紹介。
今回やってきたのは113系5300番台、S9編成と呼ばれる車両です。
この5300番台グループ...なかなか面白い特徴を持っています。
まず側面をご覧ください。
...どこか違和感を感じませんか?
注目すべきは窓配置。
この車両の戸袋窓...
一番前のものだけ、二つ連続しています。
なんでやねん。
...といいますのも、この車両ワンマン運転に最適な改造が施されているのです。
こいつら、もとは113系0´番台として新製されたモハユニットだったのですが...
1996年の山陰本線の福知山~園部間の電化に伴って、1995年から1996年にかけて2両編成のクモハに改造され、福知山にやってきたのです。
その際...(お古の111系等から取ってつけた)運転台側のドアを前方に移設(運賃収受の効率化のため)、それに伴って戸袋窓も前方に移動...
せず。
なんと新しい戸袋窓作っちゃいました。
もう窓作らなくていいから埋めちゃえよ。
その後高速化改造を受け、5300番台に改番したりして現在に至ります。
※ちなみに、のちに40N更新(のような何か)を行われた113系5300番台についてはこの戸袋窓が埋められたようです。妥当なような、残念なような。
ちなみにこのS9編成なんですが...
緑色の棒のようなもの...
これは、この辺りの113系や115系でしか現存しない貴重な手動ワイパー。
...なんですが、鉄仮面が何やらアヤシイ。
手動ワイパーの付け根、無理やり取り付けたのかかなり窮屈なご様子。本来であればこの部分には四角い切れ込みが入っているはず。↓↓↓
まあ、取り付けることさえできればどうということはないのでしょう。もう、根性です。
(S7編成については後程。)
そんなこんなで一本目を見送った私。
しかしどうせ来たのだから113系や115系以外も撮影しようじゃないかと。
こちら、223系5500番台さん。113系5300番台と同じく福知山にやってきた113系5800番台とサンパチ(3800番台)の置き換えに登場した車両です。
12両編成、130km/hで普段からぶっ飛ばしてる223系1000番台や2000番台、あと3000番台などと同じ形式には見えないほどののんびり感を漂わせながら、谷間へ消えていきました。
223系はバリエーションが多くて面白いですね。U@techも含めて。
...しかし、223系の増備が終了した今、113系5300番台を置き換える車両は227系になるのでしょうか...?さすがにもう223系は作らないでしょう...
線路挟んで反対側からの撮影。
いったん宿に戻り再び訪れましたので、時間が遅くなり周囲も暗くなっていました。
(ちなみに曇天。天体観測はできませんでした。)
夕暮れの鉄道というものは、焼け空でも曇りでもなにか惹き付けられる魅力があります。
さて、次にやってくるのは運用情報によるとダブルパンタ113系か、115系のどちらか。
次にここを訪れるのがいつになるかがわからない私としては、バリエーションが豊富な方がうれしいので115系であってほしいなあ...と思いながら最寄り駅にお邪魔します。
利用客や車両の通行の邪魔にならないことだけは十分に確認し、車両停止位置より手前の点字ブロックの内側に三脚を立てさせていただき構えますと...
...さて問題です。
(スカートに書かれてる編成名は見ちゃダメ!笑)
しんきんぐたいむ。
これだけではどうにも見分けがつきにくいですよね...笑
分からない人のために解説します。
まず、福知山電車区に現存する113系は現在5300番台のみです。
そして、40N更新のような何かを行われていない113系5300番台は全員「鉄仮面」(前面窓枠が金属でできている車両の総称。昼に撮った113系の写真を参照)。
すなわち、この写真に写っている車両は113系5300番台の40N更新車もどきか、115系6500番台(R1編成)のいずれかです。
では、そこからどう見分けるのか...。
ここです!!
...わかるかな?
113系5300番台もとい300番台のもう一つの特徴として、
↑拡大図↑
「車端部の窓が複数枚連続している」
ことが挙げられるのですが...
上の写真では、車端部には一枚しか窓がありません。
...ということは...
このお方...115系です!!!
(スカート見たら一目瞭然とか言わないの!!)
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
なんとまあ、狙ったように来てくれました、115系!!
福知山の115系は現在R1編成のみが在籍しているので、かなりの少数派。
いやあ、運が良かった。
...余談ですが、このお顔は世を忍ぶ仮の姿...反対側の先頭車は...
左のように空気抵抗を完全に無視した顔をしています...
(あくまでイメージで運転台の高さ等実物とは異なります)
本当は実車の写真を用意したかったのですが、どうにもあたりが暗く反対側先頭車を収めることができませんでした。残念。
その後しばらくしてやってきた223系もファインダーに収めてみますが堂々の
ハイビーーーーム!!!
いやあ、素晴らしいお光をありがとうございます(白目)
とまあ、これ以上いて一時間ぐらい後の223系なんか待ってても仕方が無いので今日は撤収。
...ちなみに、天体観測に向いている土地にやってきたのですから、そのぶん夜になると真っ暗になります。本当に明かりが何もありません。スマホのライトのみが頼りです。おまけに撮影の途中から小雨まで降りだすありさま。ああ心細い。
舗装された道でさえこの暗さなのに。
これから私は山道を往かねばならないのです。辛すぎるぞ...
なんとか帰れたんですけどね。
正直大型の野生動物が出てきてもおかしくない環境でしたので本当に怖かったです...。
気を取り直しまして時間帯は二日目の昼に移行します。
天気は引き続き小雨。天体観測なんてできたもんじゃあない。
普通列車こそ2両編成が主ですが、特急列車に関してはなかなかの長編成で通過していきます。
大阪にいるときにもよく見る289系ですが、こうして旅先で見ると不思議な気持ちになります。普段何食わぬ顔で身近を通るけれども、その前後に毎日こんな辺境まで来ているんだなあ...と。くろしお289系なども同じなのでしょう。
さて、そうこうしているうちに本日最初の113系がやってきました。先日最初の撮影と同じスジです。
カツい!!!!!!!!!
がっちり構えて待っていたのですがここで未熟さが露呈してしまい、シャッターが遅れてしまいました。
まあ、カツカツでもなんとか車体は収まったのでまだ良しとしましょう。
この車両はS7編成。一日目のS9編成の手動ワイパーの付け根を突っ込むときに引き合いに出した編成です。
こいつの手動ワイパーの付け根は特に窮屈さを感じません。
しかし...よく見てほしいのはそのすぐ横です。
な ん だ こ の 怪 し い 痕 は 。
S9編成にはなかった謎の痕があります。
答えは単純明快。この部分には本来...
上の写真のように自動ワイパーがあるんです。
鉄仮面を取り付けるときに在庫がなかったのでしょうか、手動ワイパーの車両なのに自動ワイパー用の鉄仮面を流用して手動ワイパー用に変更したのでしょう。
5300番台の誕生も元々は工費を抑えたうえでの車両運用の効率化のためであったことを考えると、担当した作業員の方々の苦労が見て取れます...
113系や115系は低予算の改造による短編成化を施工された事例が多く、特に外見に苦労の痕が現れやすい傾向にあると感じます。
あまりに長いとダレてしまい、ここらで更新が止まってしまっていました(;^ω^)
後編はまた後日に執筆させていただきます!