2018年春ダイヤ改正で消える光景を追って...(阪和線)
2018/03/17 内容差し替え
ダイヤ改正によってB快速自体が消滅したことが確認出来ました。
調査不足につきB快速は廃止にならないとの誤りを掲載したことをこの場でお詫び致します。
↓ここから本文です。↓
朝が弱い私が、今朝はAM4:00に起床して、30分で外出の支度を整えた...
本来ならありえない話なのですが、今日はそうしてまで見たいものがあって早起きを。
この記事の表題の通り、ダイヤ改正で消える阪和線の光景を追うためです。
ということで、最寄り駅から始発乗車芸をして、三国ヶ丘駅へと移動...
まず、私がわざわざ早起きした理由...
こちらB快速です!!!!!!!!
新大阪行き、とあります。
ご存知の方も多いと思われますが、このB快速は現在、
「和歌山方面から新大阪へ直通する唯一の快速」
なんです!
そして特筆すべきはその経路。
通常、関空・紀州路快速や直通快速は大阪方面へ乗り入れるときに大阪環状線行の幕を掲出します。そして京橋や、一周回って天王寺へと向かうわけですが...
このB快速、新大阪へ行くということで、「はるか」や「くろしお」の経路である...
"梅田貨物線"を経由するのです!
そして、前述の通りこの線を通る快速は一本のみ...あとの旅客列車はすべて特急です。
つまり、このB快速は、「特急料金なしで梅田貨物線を通れる貴重な列車」なんです!
しかし...2018年3月16日の来るダイヤ改正にてこの列車の新大阪乗り入れはB快速もろともあえなく廃止されてしまいます。
このB快速は新大阪到着後、快速湯浅行きとなって再び梅田貨物線を行くのですが、もちろんこの運用も廃止。代替としてこの快速は天王寺発に変更となります...。
それを知っていて、この廃止を見逃す手はない!!!そう思った私は、18きっぷ旅を楽しむ時よりもずっと早起きして、今回の行動に出たのです...。
さて、三国ヶ丘から新大阪への切符を手にして、初めての早朝B快速の乗車を楽しみに改札からホームへと闊歩するわけですが...
ホームで列車を待っている間に放送を記録していたのですが、三国ヶ丘駅で駅員の肉声と思われる放送が入りました。(何度か同じ内容が放送されたが毎回言い回しが微妙に異なったため録音ではないと判断)
放送内容を記述すると、
「お客様にご案内致します。JR西日本では3月17日土曜日に実施するダイヤ改正に伴い、当駅5:49発 B快速 新大阪行きを、3月16日金曜日をもって運転終了致します。ダイヤ改正以降、朝の5時台に新大阪駅までご利用お客様は、天王寺駅、大阪駅にてお乗り換えいただきますよう、ご理解とご協力をお願い致します。本日も、JR西日本をご利用いただきまして、誠にありがとうございます。」
毎回細かい言い回しは違えど、だいたいこんな感じでした。
こんな放送、入るんですね...このB快速を毎日利用している一般客向けの放送でしょう。仕事なんだから当然だ、と言われる方もいらっしゃるのでしょうが、たかが一本の廃止にわざわざ丁寧...という感想を持ちました。
そして待つこと10分程度...(始発じゃなくても間に合ったかも...?笑)
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
この時、Xperiaカメラにて4K録画していたのでその画面からのトリミングになります。
ゆえに、一眼写真より少し画質が悪いのはご勘弁ください。
(それでも行き先が分かるレベルで鮮明に記録されてますからさすがは4Kといったところ。)
そうしてやってきた223系2500番台、クモハ2503に乗車。
5:49ということもありそこまで混まないだろとタカをくくっていましたが甘かった。
普通に日中の快速くらいの過密度合いでした。これが5時とは思えない...
わざわざ放送で廃止案内されていた理由も納得です。それだけ需要があったんですね。
そんなこんな思いを馳せながら天王寺到着。撮り鉄がグッと増えました。それまでは5人程度だったのが天王寺から急に10人以上にはなった気がします。
そして皆が皆前面に張り付くのなんの...三国ヶ丘から乗ってなきゃ動画を録るのは困難でした。前面窓のうち運転席後ろと非常ドアのカーテンが閉め切られていたためです。
そんな中で十人超。...倍率が高すぎるぞB快速前面展望。
余談ですが、すこし興味深かったのが駅の電光掲示板。
阪和線内では写真の通り「B快速」と表記されていたわけですが、
大阪環状線内において、この列車は「快速」扱いでした。
B快速は阪和線内だけの呼称だったのか...これには少し驚きました。
確かに、車内の停車駅案内図にもB快速の名前はないくらい影の薄い種別だとは思っていましたが...
↓停車駅案内図(JR西日本のページへ移動します)
https://www.jr-odekake.net/eki/pdf/teisya_02.pdf
(これ、幕はどうなっているのでしょう...天王寺の数分の停車時間でB快速から快速に変更されているのでしょうか...?)
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<2018/03/11 追記>-----------------
コメント欄、9513 さんからの情報によると、大正駅ではB快速表示のままであった...とのこと。
その幕のまま新大阪まで走っている可能性が高いようです。
また、知人に113系時代の新大阪駅に入るB快速の写真を見せていただいたのですが、そこでもまだB快速新大阪行きの幕のままでした。
なるほど...新大阪まで先回り(私の最寄駅からは平日のみそれが可能)して、入線してくるB快速をカメラ構えて待ち受けるのも手ですねー。
みなさん、情報ありがとうございます。
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三国ヶ丘から守り抜いたポジションを奪われたくなかったので確かめることはできませんでしたが、これは非常に気になります。
また写真をよく見ると、三国ヶ丘でされていた案内が天王寺の電光掲示板でも行われているように見えます。
さて、天王寺を出てから新今宮、大正、弁天町と停車するわけですが各駅に撮り鉄がちらほら。空も徐々に明るくなりはじめて皆記録に走っているわけですね。
そんなこんなで西九条到着。ここまでは関空紀州路快速などと何ら変わりないわけですが、ここからが新大阪行きの醍醐味です。4Kスマホカメラを始動させます。
西九条をゆっくりと発車した快速は直後右にぐわんと車体を揺らしポイント左方向へ進入。環状線の脇に並行する単線に入ります。ここからが梅田貨物線です。
大阪環状線へ訪れるときに、ここを利用する特急車両や貨物列車などをほぼ毎回目にしたわけですが、実際に乗って上を行くのはこれが人生初。胸が高鳴ります。
しばらくはそのまま並走していますが、やがて野田を過ぎ福島に接近したあたりから線路がゆっくり高架から降り、福島駅の脇で地上へと降ります。
降りた直後に太い道路二本と交差しており、数台の自動車が踏切が開くのを待っている様子が伺えました...。(動画を録ったおかげで景色が克明に思い出せます。特等席でよかった。)
これらの踏切には何度か訪れたことがあるのですが、日中は遮断機が降りるとなかなか大変なことになります。列車の本数こそ多くないものの、道路の交通量はさすがは大阪都心、と言いたくなるほど多いです。今は朝なので待ち車両が数台で済んでいますが...。
余談ですが、実はこの梅田貨物線は地下化される計画が進行中。
その理由は今述べた踏切のうち一本の解消と、大阪駅北側に新設される駅「北梅田(仮称、以下北梅田)駅」の新設。さすがに特急が大阪の中心部をすっ飛ばすのはまずかったか...
ちなみにこの北梅田駅...しばらく梅田貨物線単独の途中駅として稼働しますが、2031年(予定)より「なにわ筋線」と呼ばれる新線が難波方面から伸びてきて、乗り入れ。
阪和線の各列車や、南海電鉄の列車もなんばから新線に乗り入れます。
梅田に南海電鉄念願の進出。...うーん、熱盛!!!
そんなこんなで踏切を渡った列車は、右手に広大な空き地、北梅田駅の建設される梅田貨物駅跡を見据えながらぐんぐんと北進。
映像右手へなにやら途側線が分岐していますが...
空き地を過ぎるとまた合流。ここで貨物列車とかが交換するんでしょうか...?
そして側線が合流して国道をくぐってすぐ、線路が複線になります。うーん...もう側線までまとめて複線にしちゃえばいいのに...無理なんでしょうか?
まもなく民営化され大阪メトロへと変わる大阪市営地下鉄御堂筋線をまたぎ、複線の線路はさらに北へ。
まもなく前方に東海道本線が見えてきました。前には快速らしき車両が。
東海道線の225系と阪和線の223系が離合。...なんだか不思議な感じがします。
対向のはるか1号とすれ違います。はるかは地下線を走行することも事前に配慮された設計がなされており、なにわ筋線にも引き続き投入される予定なのでこの光景はきっと車両置き換えまで変わらぬことでしょう。
普段は右手に見える複々線を利用して新大阪へ行くので、この視点から見るのは初めてです。
阪急ばりの三複線を高速で通過します。そして...
見えてまいりました...新大阪駅!!
三国ヶ丘から乗り換えなしでここまで来る、不思議な体験ができました。
...が、ここで私を唐突に悲劇が襲います。
「メモリーがいっぱいです。SDカードにデータを移してください。」
無慈悲なスマホから宣告と同時に、よりによって新大阪駅手前で動画がブチ切られてしまいました。
(4K画質の動画は、microSDHCカードへ直接書き込むと書き込みスピードが全く追い付かないので、UHS-3規格の高いmicroSDカードを手に入れるほかにはなけなしの32GBの内部ストレージに書き込むほかないのです...ちなみに、システム容量があるので仮にすべてのアプリを削除しても使えるのは21GB...iPhoneに大きく差をつけられています。)
梅田貨物線の、やがて地下走行区間となる部分は記録できたのでよかったのですが...あまりにも残酷な宣告でした。近くリベンジ必至...
ということで、気を取り直して新大阪到着、です。
近く写真の奥のホームもおおさか東線のホームとして運用開始されますね。コンコースから漏れる光が独特の雰囲気を醸しています。
そして、快速湯浅行きの表示。これも新大阪発着でなくなるのですからきっちり、新大阪駅の駅名板と記録せねばならんのです...
この写真を撮った後いったん改札を出て、今度は三国ヶ丘...ではなく、「鳳」までの切符を購入。
...理由はもう、言わずもがなお察しいただけるかと思います。
私は2018年春ダイヤ改正で消える光景を追っているのですから...
...ということで次の目的地へ、さっそく湯浅行きで向かいます。
目的地まで乗り換えなしで行ける、って便利です。大阪駅での乗り換え、朝の眠気の残る体には少しきついですよね...
というわけで...レッツ、美章園ッ!!!!
...って
なんでやねん!!!!鳳の103系見るんちゃうんかい!!!
...という大阪ツッコミが聞こえてきそうですが...笑
もちろん行きますよ?103系の見物にも。
しかし、忘れてはなりません。春のダイヤ改正では日根野ー天王寺での205系による列車がなくなってしまうのです。
ということで、現在残る205系による3運用をすべてこの美章園で記録します。
天王寺で湯浅行きから降り、天王寺から普通に乗り換えると...
図ったかのようにそこにおります205系!!!!
その佇まいは、阪和線の櫛型ホームになじんでいるように思います。
これは私の勝手な固定概念なのですが...未だに、205系が阪和線からいなくなるという話が信じられません...
私の脳内での阪和線のイメージは103系、103系、たまに205系というもののまま固まってしまっていますので...
数週間前、天王寺の8,9番のりばに223系0番台が滑り込む光景を見たときに、物凄いショックを受けました。
そのショックは、残念...というより「違和感」でした。
私の頭の中のイメージでは阪和線にいる223系の、特に0番台は「関空快速」のイメージが強かったように思います。2500番台以降の普通は見慣れたのですが、0番台についてはなぜか、いつまでも、どうしても関空快速のイメージが抜けないのです...。
現在私は大学生ですので、生まれる前にはもう走っていたはずの0番台...直接デビューを見届けたわけでもないのに、こんな思いを抱いているのは我ながら不思議なことです。
という私のお話は置いといて...美章園に到着。
なぜ今更、こんなありったけな有名撮影地を選ぶのか?
...というのも、私、一眼カメラで美章園に来たことが一度もないんですよね...大昔にコンデジでは来たことがあるのですが...
そうこうしているうちに205系が美章園から消える、これはまずい...と、205系はもちろん、これまで撮っていなかった他形式の記録も行いました。
というわけで、乗ってきた205系を含めるとすべての運用を撮影したことになります。
全て載せてはキリがないので大部分はカットしましたが、たくさんの写真を撮影できました。
中には205系×225系5100番台という、置き換え対象と置き換え車両のコラボも...
また、281系はるか×205系×近鉄(形式不明)も激熱でした。
そして、ふたたびやってきた205系に乗り、鳳を目指してれっつごー。
津久野にて快速の通過待ちの時間があったので、ちょこっとスナップの撮影。
コンデジ時代の私は、とにかくやってくるあふれんばかりの103系と205系の記録に必死で、スナップという発想がなかっただけにこのような写真を全く撮れていませんでした...。
とまあ、あえて快速に乗り継がずに鳳まで鈍行でチンタラ、205系なひと時を楽しんで...
やってまいりました、鳳駅!!!
この日は原型に近い姿をとどめているHL102編成でした。
非ユニット窓、鉄仮面でなくHゴムむき出しの前面窓を有し、さらに...
反対側先頭車はデカ目改め豚鼻!!
どうやら、豚鼻先頭車と中間車は現在の京都線や神戸線で使われていた車両のようです。そして先ほどのHゴム側先頭車は中間電動車を片町線での増解結のために先頭車化改造したものとのこと。
いやあ、今日は激熱な場面によく出会いますねェ!!
...私がここに来たということは、この光景もあと数日で消えてしまうということ...
先ほど、私が写真を撮った側のホームは...
途中からのりばのタイルが変わっていることからも察せるように、実はこの先のホームは最近延伸されたのです。なぜか...
それはダイヤ改正後に来る新車たちがこのように皆4両だからです...。
そうです、103系が羽衣線から消えるということは同時に、「羽衣線から三両運転の車両が消える」ということを意味しているのです...。
かつてここを123系の重連が走っていた時代、ラッシュ時用に103系のクハをつなげて三両で運行させていた...という話を聞いたことがあります。
元は二連、ラッシュで三連だったということです。
その車両の代替として三連の103系を一定本数捻出して、現在の運用に落ち着いたそうな。
そのとき使われた123系は現在山口県で(末期になって)姿を変えて走っているとか...それはまた別のお話。
昔であれば、先ほどの写真のように余裕を持って羽衣線ホームから鳳側先頭車の撮影をすることは不可能だったでしょう。
しかし、延伸工事によってそれが可能になった...。103系の運用離脱と引き換えに、綺麗に撮影可能になった、と。
...とても皮肉な話です。
色々と経験してもいない時代の羽衣線を思い感傷に浸る私でした。
まもなく役目を終える、足元〇印の乗車位置と、3両の目印。
ということで、すでに出発してしまっていた103系の帰り道をスパッと駅撮り。
鳳を出て撮影地まで歩く元気はもうありません...なにせ始発出発からずっと立ちっぱなしで飯も食わずファインダー覗き続けてましたから...
とはいえとりあえず、久々に103系を補充できましたから満足です。
次は播但線でも目指そうかなあ...。
と、ここで何気なく帰ってきた103系の車内に入って、そろそろ帰るかぁ..と思った私。すると...
な、なんじゃこりゃ!!
本来ないはずの中吊り広告受けに挟まっていたメッセージ。そして...
うおおおおおおおおお!!!!!!
なんという粋な計らい!!
スカイブルー103系が阪和線からいなくなることを惜しんだ乗務員の方々の精いっぱいの思いの結晶が今ここに!!!!
全編成の中吊り広告の表裏に写真を挟むのに、いったいどれだけの写真を撮ってきたんでしょう...撮ったすべての写真が成功するわけではありませんから、少なくともきっとこの三倍はシャッターを切っているはず...。
乗務員の方々の愛を、感じることができました...うう...泣かせる...。
愛が、多すぎる。((それはお隣の会社だっちゅーの。
というわけで...私は今日の午前中、阪和線からなくなるものを取材して参りました。
一部映像面で悔いの残る結果になったとはいえ、乗務員の方々の愛に触れることができて、とても良い気持ちで旅を終えることができました!!
何かが失われるということは、その部分だけ切り取ればとても悲しいことです。
しかし、その部分だけをかいつまんで見るのではなく、歴史的にもっと大きな視点を持って改めて向き合ってみると、そこには車両の一両一両が刻んできた確かな歴史があります。
確かに目の前からは消えてしまうのかもしれないけれど、これまで彼らが作った歴史、刻まれてきた記憶を我々が忘れることはきっと、ありません。さらに未来へと語り継がれるでしょう。そして、これから223系や225系の紡ぐ新たな羽衣線、阪和線の歴史が始まります。
今日のことは忘れません。
奈良線で、元気な姿を見せてくれるその時を待っています。
ありがとう、乗務員の皆様方。
以上、大学生の書いたクサい記事でした。最後まで見ていただきありがとうございました。
(ブログ再開直後に分割なしの7500文字程度の文章。疲れた...)